2013.09.01
本日要請3件、うち2件に出動。1件は重複要請につき佐久機にお願いしました。
曇天模様での開始でしたが、予想の通り午後より雨天となり運休しました。
さて、1件目は頻脈性不整脈による胸部苦悶感による要請でした。血圧も低下し、冷汗もともなっておりました。こんな時フライトスタッフに可能なことは何か?悩みましたが、本日の結論としてはいわゆるscoop & runです。
病院前救急に携わる者として、ヘリのスピード頼みの「運び屋」ではなく、「往診」こそが真の姿であると自認しております。しかし現場で可能な治療、あるいは現場で可能かもしれないが搬入後に行う方が有利な治療はなにかを考えた時、今回は一刻も早く病院に収容をすべきと判断いたしました。
現在頻脈性不整脈の治療薬は持参しておりません。また薬剤があっても現場で調律をもどすのは結構なリスクがありそうです。現場での除細動も同様です。患者の状態(緊急度)、搬送距離等勘案し対処することが重要です。違う状況ならばまた違う選択もありうることでしょう。
scoop & runを決定したら、着陸前から準備連絡し、接触後は無駄な時間を極力削り、出動後20分程度で病院収容可能となりました。
ところで循環器疾患の際に威力を発揮するのは12誘導心電図電送システムです。実は以前からあったのですがガイドラインにも掲載されて再び脚光を浴びています。救急車内で記録した12誘導心電図が病院の受信機で見ることが可能なので来院後の治療の準備に入れます。たとえばカテーテルチームの召集などが可能で寸暇を惜しむ場面で決定的な治療を遅滞なく施行可能になります。今回も役に立ってくれました。
Csのモニターで雨雲が近づいているのを確認。空港に避難しましたが、午後3時過ぎには運休となりました。
本日の担当: 1件1件の事例ごと奥の深さに悩むDr「た」と「ぴぃ」